ダイヤモンドの起源、産出国と価格の関係
アフリカ大陸をはじめとする世界中でダイヤモンドは産出
されています。そんなダイヤモンドは自然が作る宝石ですが、
どのように作られているのかご存じでしょうか?
誰もが知るダイヤモンドですが、知られていない事実は
沢山あります。
今回はダイヤモンドの起源、産出国、そして値段決定を解説します。
ダイヤモンドの起源、産出国とダイヤモンド産業
ダイヤモンドは炭素でできた鉱物です。高温高圧条件の
地下深く、上部マントルでできます。マントル内部でのマグマの
中ででき、近くの割れ目を通って地表近くまで急速な勢いで
上昇したものと考えられます。
地表下で熱や圧力が加わって、炭素が結晶化された結果、
地球上で最も美しくて固い物質の一つであるダイヤモンドが
完成されます。
世界中のありとあらゆる地域でダイヤモンドは採掘されます。
この20年以上でダイヤモンド業界では、さまざまな変化が起こりました。
一昔前は数少ない大企業がダイヤモンド取引を独占していました。
しかし今日では、ダイヤモンド業界で重要な役割を担う小さな鉱脈が
たくさん出てきました。
最大のダイヤモンド輸出国と言えば、南アフリカでした。
実際に南アフリカ産のダイヤモンドは世界を席巻(せっけん)
しました。しかし、この20年以上で南アフリカ以外の国々でも
数多くのダイヤモンドが採掘されるようになったのです。
ダイヤモンド採掘現場の拡大によって、数多くの宝飾品業者が
市場に進出する足掛かりができました。結果的に、ダイヤモンド事業を
独占していた企業の力が弱まっていったのです。
ダイヤモンドの主な産出国
ダイヤモンドはロシア、ボツワナ、カナダ、アンゴラ、
南アフリカ、ナミビア、オーストラリア、そしてギニア、
ブラジル、インドといった国々で採掘されています。
ダイヤモンドの産出国上位6か国だけで世界の90%以上の
ダイヤモンドシェアを占め、他の国々は残りの10%しか
占めていません。
ダイヤモンド産出量が多い上位6か国は、ロシア、ボツワナ、
カナダ、アンゴラ、南アフリカ、そしてナミビアです。
ロシアのダイヤモンド
第二次世界大戦後、ロシアはダイヤモンド産業に力を入れてきました。
シベリアには、南アフリカのように豊かな炭素の地域があり、そこで
多くのダイヤモンドが採掘されています。
1960年代に入ると、さらに多くの鉱脈が見つかり、ロシアはダイヤモンドの
輸出を始めます。なんとロシアには12以上もの鉱脈があるのです。
ロシアはダイヤモンド産業を引っ張る存在となり、10億カラット以上の
ダイヤモンドを保有していることを考えると、これからもその立場が
揺らぐことはないでしょう。
ロシア産のダイヤモンドを特定する唯一の方法は、信頼できる販売業者から
購入して、原産地証明書を受け取ることです。
目で見るのはもちろん、化学成分を検査しても産出国を見分けるのは不可能です。
カナダのダイヤモンド
カナダがダイヤモンド産業に加入したのは比較的最近のことです。
カナダは1990年代からダイヤモンドを産出しています。
ほとんどの鉱脈は北部の極寒の地にあり、世界でもトップクラスの
ダイヤモンド産出量を誇ります。
さらに、まだ開発されていない鉱脈も数多くあるので、これからも産出量が
伸びることが予想されています。
アメリカ合衆国のダイヤモンド
アメリカ合衆国は、世界で最もダイヤモンドの消費者が多い国の
1つです。しかし、国内にある鉱脈は非常に少なく、実際に活動している
鉱脈はクレーター州のものだけです。
この鉱脈は州によって運営されている観光名所で、入場料などを支払って
ダイヤモンドの採掘を楽しむことができます。
発見したダイヤモンドは持ち帰ることが可能です。
アフリカのダイヤモンド
アフリカ大陸はダイヤモンドに恵まれた土地です。
現在、ダイヤモンドを産出しているアフリカ大陸の国々は以下の
14か国です。南アフリカ共和国、ボツワナ、ジンバブエ、ガーナ、
アンゴラ、ナミビア、コンゴ、ギニア、リベリア、レソト、
中央アフリカ共和国、タンザニア、シエラレオネ、そしてトーゴ。
特に産出量が多いのはボツワナ、南アフリカ共和国、アンゴラ、
ナミビア、そしてコンゴ共和国です。以前は紛争ダイヤモンドが
問題となっていましたが、現在では紛争ダイヤモンドは全市場の
1%未満まで下がっています。
ダイヤモンドの産出国と価格の関係
ダイヤモンドの販売価格に定価はありません。
そのため、さまざまな要因があわさって価格は決まります。
一般的には、ダイヤモンド・カッティングセンターが市場価値や
需要と供給を見て価格を決定します。
しかし、販売業者によってダイヤモンドの値段が大幅に
変化することはありません。
もしダイヤモンドの値段が大幅に安かったら、
4C(カット・カラー・クラリティ・カラット)のどれかに問題が
あるなどの理由があるはずです。
ダイヤモンド購入を決定する前には、すべての特徴を見て値段の
比較をしましょう。どこで産出されようともダイヤモンドは
同じ特徴を持ち、その価値は4Cで決まります。