ダイヤモンドの研磨について
ダイヤモンドは研磨され、ファセット(面)を施すことで原石は、輝く宝石へと生まれ変わります。
「ダイヤモンドの原石は一粒ずつ異なります。それぞれの輝きを最大限に引き出し、いかに美しく、大きく仕上げるか。正解がひとつとは限らないだけに、研磨は難しくも面白くもあります。学ぶべきことは尽きず、20年、30年の経験を重ねても、原石と向き合うときの緊張感は変わりません」
わずか100分の1ミリの角度の違いが美しさや価値を左右するダイヤモンドの研磨。目減りを少なくして可能な限り大きなダイヤモンドに仕上げるのか、小粒でもキズのないグレードの高いダイヤモンドにするのか。職人たちは日々、選択を迫られます。「200カラットのダイヤモンドを手がけた際には、原石を前にプランニングだけで半年以上悩んだことも。原石の大小に関係なく、最後の決め手となるのは『輝き』。美しい分散光を放つカットを極めるために気持ちを込め、大げさでなく、命懸けで取り組むのです」