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ダイヤモンドを保護する「ガードル」知っていますか?その重要な役割と評価ランク

2017.10.19

ダイヤモンド ダイヤモンドとは? ダイヤモンドの特性

地球上で一番硬い物質だから、ダイヤモンドはどんなに乱暴に
取り扱っても大丈夫だと考えがちですが、実際にはダイヤモンドは
割れることも欠けることもあるということをご存知ですか?

これはダイヤモンドの性質から来ることですが、宝石の王様でも
アキレス腱があります。詳細は別の章でご説明いたしますが、
その割れやカケを防ぐためダイヤモンドには「ガードル」と
呼ばれる部分がございます。

ダイヤモンドを横から見たときにクラウンと呼ばれる上部と
パビリオンと呼ばれる下部に分けたときに、その上部と
下部の境目となるのがガードルです。

ガードルはカットランクに影響を与えれば、見た目にも
影響を与えることがあるのです。その為、ダイヤモンド
選びではガードルの厚さにも気をつけなければいけません

今回はガードルの役割、評価方法とランク、そしてガードルが
ダイヤモンドに与える影響について解説します。

ダイヤモンドのガードルの役割

ダイヤモンドのカケ

出典:https://www.gia.edu

「ガードル」とは、ダイヤモンドのクラウン(上部)とパビリオン(下部)を
分ける境目、正面から見た際の外周部分「縁」になります。

ダイヤモンドを枠にセットする際には、「ガードル」部分で固定しますので、
ある程度の厚さがあることで欠けるのを防ぎます。

つまり、「ガードル」があることによって加工や普段の使用において
ダイヤモンドが傷がつく可能性を下げる役割をもっています。

ガードルが薄すぎると、脆くて欠けやすくなります。逆に、厚すぎると肉眼でも
わかるようになり、ダイヤモンドの輝きにも影響をあたえます。

ダイヤモンドのガードル評価のランクと評価方法

ダイヤモンドの山と谷

じっくりとガードルを見ると気づきますが、ガードルは真っすぐな線では
ありません。丘のように盛り上がった部分(hill)と谷のように
凹んだ部分(valley)があります。

ちなみに、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドには、盛り上がった部分、
凹んだ部分がそれぞれ16ずつございます。

「ガードル」は、カットのランクに影響を与える要素なので、GIA
(米国宝石学会)等の鑑定機関によって評価されますが、その評価は
この盛り上がった部分hillと凹んだ部分valleyの厚さで決められます。

10倍の倍率でガードルは観察され、直径に対する厚さの値を
パーセンテージで表示します。

しかし、ガードルは不規則な可能性もあるので、最終判断は
目視で行われます。以下が各ランクのガードルの特徴です。

*ガードルのパーセンテージは、GIA社より参照。
カットグレードの良いダイヤモンドの目安の数値で最高値や最低値ではございません。
参考:https://www.gia.edu/doc/booklet_finish_culet_girdle.pdf

Extremely Thin (極端に薄い)

ガードルの幅が小さすぎて、目で見ることはほぼできません。
非常に傷つきやすく、欠けたり、壊れたりする可能性があります。
“Extremely Thin”のガードルはもろく、ダイヤモンドのカットランクに
大きな影響を与えます。

Very Thin(とても薄い)

ガードルは細く、欠けたり、壊れたりする可能性があります。
ガードルが”Very Thin”の場合、カットランクが”Excellent”に
なることはありません。

Thin (薄い)(1.2% valley, 2.9% hill)

ガードルの線は細いため、枠にダイヤモンドをセットする際には
気を付けて扱わなければ壊れてしまう可能性もあります。
ガードルが”Thin”の場合、カットランクは”Excellent”評価に
なることがあります。

Medium (中間)(1.8% valley, 3.5% hill)

理想的なガードルは”Medium”ランクになります。
欠けたりする可能性も最小限で、カットランクに悪影響を
与えることはありません。
ガードルを目で確認できますが、それでも目立つほど厚いと
いうわけではありません。

Slightly Thick(かすかに厚い)(2.5% valley, 4.2% hill)

“Slightly Thick”のガードルも”Medium”同様、ほぼ理想的なガードル
になります。傷がつく可能性も最小限で、
カットランクにも悪影響を与えることはありません。

Thick (厚い)(3.5% valley, 5.2% hill)

“Thick”評価のガードルは、その厚さが少しだけ目立ちます。
カットグレードは”Very Good”になる場合がほとんどです。

Very Thick(とても厚い)(5.0% valley, 6.7% hill)

拡大しなくとも、その厚さが目立ちます。
ダイヤモンドが深くなるため、カットランクは”Very Good”
もしくは”Good”になるでしょう。

Extremely Thick(極端に厚い)(7.5% valley, 9.2% hill)

推奨されているガードルの厚さよりも、かなり厚くなります。
ダイヤモンドのシンメトリーに影響を与え、カットランクは”Good”
もしくは”Fair”まで下がります。ガードル内で起きる反射を見ることが
できる厚さであり、ダイヤモンドの輝きにも悪影響を与えます。

ガードルがダイヤモンドに与える影響

ラウンドブリリアントカットが施されたダイヤモンドを
購入する際には、ガードルを判断材料の一つに入れるべきです。
ガードルはダイヤモンドのカットランクに直接影響を及ぼします。

しかし、少し変わった変形シェイプのダイヤモンドにガードルが
与える影響は少ないので、それほど考慮する必要はないでしょう。

ラウンドカットのダイヤモンドの場合は、理想のガードルサイズは
「Medium」か「Slightly Thick」です。
変形のダイヤモンドの場合は、「Thin」から「Thick」の間がおすすめです。

厚さが薄いガードルの懸念材料は、やはり破損のリスクです。
ダイヤモンドを枠にセットするときに、欠けたり、壊れたりする可能性が
高くなります。

対して、分厚いガードルはカラットに余計な重さを加えてしまい、
全体的な高さが深くなりすぎます。またガードルで重さが増している
ので、カラットに対してダイヤモンドが小さく見え、輝きが
損なわれることもあるのです。

3つのガードルの種類

先にも紹介したように、ガードルには3種類のタイプがあります。
ここからは、それぞれの特徴を紹介しましょう。

研磨されたダイヤモンドのガードル

研磨されたガードルはステップカットやプリンセスカットに
よく使われます。また、ラウンドダイヤモンドに使われることも
あります。輝きは悪くありません。

研磨されていないダイヤモンドのガードル

研磨されていないダイヤモンドのガードル

カットグレードの良いダイヤモンドではあまり見かけることがありません。
磨かれていないガードルはざらざらとしていて、ガードルの
輝きを高めないので、あまりおすすめできるものではなありません。

面取りされたダイヤモンドのガードル

面どりされたダイヤモンドのガードル

面取りされたガードルは最も人気で、強くおすすめできる
タイプです。このガードルはダイヤモンドの輝きを
最大限まで高めます。ガードル選びに迷ったら、
面取りされたものを選ぶといいでしょう。

まとめ

ガードルの主な役割は、ダイヤモンドを傷から守ることです。
また、分厚いガードルはダイヤモンドのシンメトリー、カットランク、
そして見た目等に悪い影響を与えます。

おすすめのガードルは面取りされたタイプの”Medium”か
“Slightly Thick”です。

今記事を参考に、ガードルにも少しだけ注目してみてはいかがでしょうか?

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