マツコの知らない世界「宝石の世界」3大カラーストーンと幻の宝石
2017.12.13
3大カラーストーンと幻の宝石アレキサンドライトカピル・ミタルタンザナイトティファニーパライバトルマリンマツコの知らない世界マツコ・デラックス宝石の世界スタッフブログ 井上専務より
こんにちは!
宝石鑑定士・ジュエリーコーディネーターの井上です。
昨日2017年12月12日(火)「マツコの知らない世界」で放送された「宝石の世界」。
翌日の今日、社内でもとても話題になりました。
宝石はもちろんのこと、インド人宝石商カピル・ミタルさんの個性も強烈だったようで。
今回は番組で取り上げられた「ダイヤより価値がでる!厳選3選」について
触れてみようと思います。
ダイヤの1000倍希少「タンザナイト」
目次
まず最初に取り上げられたのは「タンザナイト」という紫のカラーストーン。
番組内では、タンザナイトの裸石だけで53カラット1500万円で紹介されていました。
ダイヤモンドの1000倍??と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
1000倍希少というのは産出量がそれだけ少ないということで値段が1000倍という
ことではございません。値段はあくまでも需要と供給で決まるので供給が1000倍希少だから
といって、需要がそれだけすくなければ値段も適切なところにおさまっていくということです。
ちなみにこの「タンザナイト」非常に柔らかい宝石で、カケやすいことが難点です。
とくに指輪にする場合は、気をつけて使用しましょう。
その美しさは、サファイアを凌ぐともいわれる美しいブルーさにあります。
1960年代にタンザニアで発見されたブルーのゾイサイトは、1967年にティファニー社によって
タンザナイトと命名されました。
1989年頃から産出が増え、美しくて大きさの割に価格が手頃なことからアメリカなどでとても人気です。
年々産出量が減る幻の色石「パライバトルマリン」
「パライバトリマリン」は、ブラジルの北東の端に位置するパライバ州バラウラ村から
産出したことからその名がつけられました。1989年の1年間は本格的に産出しましたが、
それ以後ほとんどとれていません。
その独特のネオンのような青い輝きが個性的で、美しさ故に人気がとても高いカラーストーンです。
従来のトルマリンに見られない非常に鮮やかなブルー、またはグリーンの色が特徴。
中位の明度でグリーンからブルーまで幅広い色相が算出しますが、もっとも好まれるのが
ネオンブルーです。
番組内では「27カラット」で熊谷に一戸建ての「1700万円」、「80カラット」で「4~5億」とも
紹介されていました。トルマリンは一般的に内包物がとても多いので、ここまで大きいと
内包物が全くないという「パライバトルマリン」は、ほぼ無いと思って間違いないでしょう。
超一流宝石商の証 アレキサンドライト
「アレキサンドライト」もこれまた大変希少なカラーストーンです。
番組でも「3カラット2,000万円」と紹介されていましたが、1カラットを超える上質なものは
ほとんど見かけることがありません。
この「アレキサンドライト」、色の変化が品質の鍵で中に含まれる「クロム」の影響で
太陽のようにバランスの良い白色光では『緑』にみえ、赤色の成分が多い白熱光では
「赤紫」に見えます。
「アレキサンドライト」はロシア人には特別な宝石。
1830年にロシアのウラル地方で、ロマノフ朝の皇太子であった、後の12代ロシア皇帝
アレキサンドル2世の12歳の誕生日に発見されたことが、その名の由来です。
透明度が高く、形がよく、石の内部のキズも肉眼で見えるようなものがないことを前提として、
色の変化が顕著なものが高品質です。
テレビ初!?日本に数ピースのみ「マスグラバイト」
薄紫色の超希少石「マスグラバイト」。「1.5カラット」「700万円」で紹介されていました。
長年宝石に携わっておりますが、このカラーストーンの名前は初めて聞きました。
いつも参考にしている宝石辞典などで調べてもできてきませんでした。
それもそのはず日本に数ピースしか存在しないようです。
石としては「スピネル」の仲間で、希少石「ターファライト」の親戚になるような「マスグラバイト」。
希少性もさることながら、それを見分ける鑑別作業も難しいようです。
是非一度見てみたいものです。
(おまけ)インド人宝石商カピル・ミタルさん
出典:https://www.gstv.jp/about_gstv/member/mitaru_kapiru.html
最後にマツコさんと共に番組を盛り上げていたインド人宝石商の「カピル・ミタル」さん。
日本語がとてもうまく、しゃべりもリアクションもみていてあきませんでした。
陽気なインド人らしいひとですね。
調べてみたらカピル・ミタルさんについて調べてみたら宝石の通販チャンネル「GSTV」で
「カピルにおまかせ!」という番組も持っているそうです。
こちらも後日チェックしてみようと思いました。