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ダイヤモンドのボディ・カラー 宝石の地色

2013.11.23

ダイヤモンド ダイヤの「4C」について 「4C」カラー

 カラーは、ダイヤモンドを選ぶときに熟慮するもっとも重要な要素のひとつ。なぜかというと、多くの人が最初に気にする点はダイヤモンドが白い、もっと正確に言えば、カラーレス(無色)かどうかだからです。

「白色」のホワイト・ダイヤモンドは珍しく、仮にあってもそれほど魅力的ではありません。カラーは価値に影響します。

カラーとは、ダイヤモンドの天然の地色のこと。素晴らしく高価な「ホワイト」ダイヤモンドは、完全な無色で、清らかな湧き水のようです。

多くのダイヤモンドはほんのわずかな黄色か、茶色がかった色見をしており、天然の色付のダイヤモンドは、「ファンシー・カラー・ダイヤモンド」と呼ばれます。ファンシー・カラーにはレッド、ピンク、ブルー、グリーン、イエロー、ブラウンなどがあります。

カラーの価値を見極めるためには、どのようにダイヤモンド見るか

 ホワイト・ダイヤモンドはグレード間のカラーの違いが非常に微妙で、とくにセッティングされたものだと、その違いを見つけるのは困難です。枠にセットされていると正確なカラー・グレードをつけること不可能だということを覚えておきましょう。しかし、セットされていないダイヤモンドを見るときは、適切に見れば、素人でもカラーの違いを見分けられるようになります。

 ダイヤモンドは高いブリリアンス(輝き)と光のファイア(分散)を備えているため、石を上から、また表面の一カ所から見てもカラー・グレードを正確に判断することはできません。カラーを観察するのに一番良い方法は、テーブルを下にしてパビリオンを通して調べることです。

 白い名刺を折ったような、平らな白い紙面を利用するか、ジュエリー・ショップで購入できるカラー・グレーダーを使いましょう。

ボディ・カラーとは何か

 ホワイト(無色)ダイヤモンドのボディ・カラーは、石に表れる黄色や茶色の色合いの程度を見ます。商業上、ファンシー・カラー・ダイヤモンドと呼ばれるブルー、グリーン、イエローまたはレッドなどの色合いが生じる珍しい「ナチュラルカラー・ダイヤモンド」がありますが、ここでは触れません。

 現在、アメリカやほとんどの国では、ホワイト・ダイヤモンドはDから始まるアルファベットの等級で格付けされます。この文字の称号はGIAによって導入されたカラー・グレーディング・システムの一部で、世界中のダイヤモンド取引で広く利用されています。

 GIAの等級分けは、最も優れたグレードのDから、カラーが濃くなるに連れて、アルファベット順にZまで格付けされます。D、E、Fグレードは非常に優れた等級で、このグレードだけは「無色」として扱われます。厳密に言えば、EとFはわずかな黄色味や茶色味を帯びているので無色ではありませんが、色合いが非常にわずかなので無色としています。

 カラー・グレードDのダイヤモンドは、最高価値の石です。それは、透明な湧き水のような無色で、最も望ましいものとされています。Dカラーのダイヤモンドは非常に貴重で、高いプレミアム価格が付きます。カラー・グレードEのダイヤモンドも非常に優れた品質で、経験豊富な専門家以外はグレードDとの見分けが付きません。

 カラーの差異はほとんど分からないにも関わらず、グレードEのダイヤモンドは、Dのダイヤモンドよりもカラットあたりの価格が著しく低くなります。グレードFもEに近似していますが、D・E間の違いよりも、大きなカラーの違いが見て取れるでしょう。

どのカラー・グレードが最も望ましいか?

 D、E、Fのカラーは特に優れた貴重なカラーですが、ダイヤモンド・ディーラーはそれぞれカラーレス、イクセプショナル・ホワイト(例外的な白)、レア・ホワイト(希な白)という表現を使用するかも知れません。GとHのカラーはファイン・ホワイト(見事な白)やレア・ホワイト(希な白)と呼ばれることがあります。これらのグレードはすべて、とても美しいカラーとみなされます。

 IとJのカラーは、GとHに比べて、わずかに色見が強まるため安くなりますが、GからJのダイヤモンドも充分に美しく、カラーレスに近いものとして分類されます。KとLのカラーは黄色や茶色の色合いがより強く表れていますが、場合によりセッティングで色見を隠すことができます。MからZへ向かうほど、黄色っぽい色や茶色っぽいカラーが次第に強まります。DからJのグレードは、KからZのグレードよりも再販売される可能性が高くなります。ただし、これは低いカラー・グレードのダイヤモンドが、美しさが劣り、価値が低いという意味ではありません。時には色見のあるダイヤモンドが、他のダイヤモンドには見られない温かみを醸し出すため、独得の魅力を持った美しい指環に仕上がることがあります。

カラー・グレードはどの程度、価格に影響を与えるか?

 訓練されていない目には、直接並べて比較しないと、セッティングされたDからHの石のカラーの違いを判別することはほとんど不可能です。それにも関わらず、カラーの違いはダイヤモンドの価格に大きく影響します。

 1カラットでフローレス、非常に素晴らしいプロポーションをしたDカラー・ダイヤモンドの小売価格は30,000ドルですが、同じ条件のHのダイヤモンドは12,000ドル、Kのダイヤモンドはたった7,500ドルで販売されます。もちろん、キズがあればさらに安く販売されます。複雑に聞こえますが、石を見慣れればカラーの範囲がはっきりとわかるようになります。石を購入する際に用心する意味で、この違いを知っておくべきでしょう。

 1カラット以上のダイヤモンドは、白い石であればあるほど価値に影響するため、正確なカラー・グレードを知ることが必要です。一方、カラーを確実に理解し、適正価格を支払い、1つか2つ下のグレードの石を選ぶのであれば、1カラットあたりの価格をおさえられることができ、さらに石がセットされてしまえば目に見える違いはほとんど無いでしょう。したがって、同じ価格でも、より大きなダイヤモンドや、より良いカッティングやクラリティー・グレードのダイヤモンドを手に入れられるかもしれません。それは、あなたが何を最優先するかによるでしょう。

ナチュラルカラーか、高温高圧(HPHT)処理のものか

 カラーの違いは微妙ですが、価格は極端に違ってきます。正確なカラー・グレードを知ることも重要ですが、そのカラーが天然か、トリートメントを受けているか知ることはもっと重要です。ダイヤモンドのカラーを変える技術は一時的なものであり、最近まで有能なジェモロジスト(宝石学者)なら処理されたものかどうか判別できました。しかし現在は違います。最新の技術を看破することは難しく、複雑な検査が必要です。

 薄いオフ・ホワイトのダイヤモンドを、DからHカラー・グレードの範囲内のカラーレスかカラーレスに近いカラーに変えるため、HPHT(高温高圧処理)を利用する新しい処理方法が1990年代に開発されました。これらの石はかつてGE-POLダイヤモンドと言われていましたが、現在ではベラテア(Bellataire)ダイヤモンドと呼ばれています。この効果は永続的で変化しません。初期のトリートメントと違って、発見には限定された宝石研究所のみで可能で、複雑な検査が必要とされます。

 色見を帯びたダイヤモンドすべてを、カラーレスやカラーレスに近いカラーに変化させることができるわけではありません。非常に稀なタイプのダイヤモンドのみがHPHTのホワイトニング技術に反応します。採掘されたダイヤモンドのうち、2%未満のものが望ましい効果を生むと推定されます。今日、このプロセスを用いてイエロー、ピンク、ブルー、レッドのファンシー・カラー・ダイヤモンドが生み出されています。
 処理されたダイヤモンドが素晴らしいために若干高めの価格をつけるジュエリー・ショップもありますが、天然のものより価格を15~20%ほど下げて購入を促すジュエリー・ショップもいます。多くの人はこのようなダイヤモンドを美しくワクワクする先進技術の産物だと感じるでしょう。結局それを消費者が受け入れるか、望むかどうかは、価格の問題といえるでしょう。

注意:HPHT処理のカラーレス・ダイヤモンドがナチュラルとして売られている

 GE-POLとベラテア(Bellataire)ブランドに加えて、他の企業もこの技術でホワイトニングしたカラーレス・ダイヤモンドを生産しています。そういったダイヤモンドの販売数や、実際に市場入りした時期は明らかではありませんが、中には無処理として販売されているものがあります。また、この技術が使用されていることに気が付く以前に、有名な研究所は検査を行なっていなかったばかりか、検出する手段がなかったことも問題でした。現在はこの方法で処理されたダイヤモンドを鑑別できる所が増えましたが、カラーレス・ダイヤモンドを購入する際はカラーの処理が施されているか注意しなくてはなりません。アメリカのGIAやスイスのSSEF、ヨーロッパのEGLといった研究所は、レポートの下部のコメント欄でこの方法で処理された旨を表記して格付けを行います。

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